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大規模修繕工事 いくら用意しておけばいい?

2020.04.20

大規模修繕工事

10年から12年程度の周期で行われるマンションの大規模修繕工事。
当然費用が掛かることは理解できるものの、実際どんな工事にどれくらい掛かるのか。また総額でいくらなのか見当がつかないため、工事前にどれくらい金額を見積もっておけばよいのか目安となる金額が分からない方も多いと思います。
そこで今回は、大規模修繕工事の中で工事ごとにどのくらい掛かるのか、事例を交えながらお話したいと思います。

マンションによって大きく異る

前提となるのは、大規模修繕工事の費用はマンションによって大きく異なるということです。そのためAというマンションで○○円掛かったから、このマンションもだいたい○○円くらいを見積もっておけば済むだろう、とは残念ながらいきません。
 
マンションの規模はもちろん、マンションが分譲なのか賃貸なのか、築年数は新しいのか古いのかといった部分でも実施する工事内容が異なり、それゆえ費用も違ってくるのです。
またこれまでの「大規模修繕工事の工事内容にもっと迫ろう!」シリーズでも紹介しました通り、各工事の工法や材料の値段によっても費用は大きく変わってきます。
そのため、結局のところ具体的な金額は、施工会社に見積を取るまでは分からないということをご理解ください。

マンション実態調査結果

では東京都がまとめたデータを見ながら、参考になる金額を追っていきましょう。
東京都都市整備局が平成23年8月1日に発表した「マンション実態調査結果」がこちらです。
 
http://www.mansion-tokyo.jp/pdf/03jittai-chousa/03jittai-chousa-01.pdf
 
この資料は都内の全ての分譲マンション及び賃貸マンションを対象に行ったものなので、非常に参考になると思います。

資料では、大規模修繕費用においては以下の通りの調査結果が出ています。

80~100戸の分譲マンション

1,000万円~3,000万円の範囲が35%
3,000万円~5,000万円の範囲が22%
 
過半数にあたる57%のマンションが、費用が1,000万円から5,000万円の間に収まっています。
戸当たり工事費は、約60~90万円が目安の相場となるので、30世帯の分譲マンションの場合、30戸×80万円=2,400万円くらいが予算の目安となってきます。

工事による費用の違い

大規模修繕工事の中で行われることが多い工事は、外壁修繕、屋上防水・塗装、鉄部の塗り替えの3つです。
 
それぞれの平均的な予算は下記の通りです。
 
外壁修繕 3,000円から7,000円
屋上防水・塗装 4,000円から8,000円
鉄部の塗り替え 2,000円から5,000円
※1平方メートルあたり
 
そのほかの工事では、給水排水設備の工事が以下のような費用で行われています。
給水管の補修で約120万円
排水管の補修で約140万円
給水ポンプ交換で約80万円から200万円
※マンション1棟あたり
 
老朽化したマンションではベランダやバルコニーの工事が必要な場合もあります。
その費用は、1平方メートルあたり以下の金額が相場です。
手すりの防錆塗装 約1,000円から3,000円
排水管の補修費用 約140万円
床面FRP防水工事 約6,000円から9,000円
 
また老朽化という観点からドアの交換工事を行う場合もあるかもしれません。
その場合、1戸あたり約20万円から35万円が相場です。
 
共用部分の補修工事では、照明をLED化する場合の費用として1か所あたり3,000円から6,000円
エントランスのオートロック化費用として50万円から130万円程度かかります。
 
上記のように、工事ごと、工法や材料によっても費用が異なります。
 
12年周期で大規模修繕工事を行う場合、これらの費用を12年で積立てていく必要があります。

まとめ

今回は、大規模修繕工事の費用についてお話しました。
あらかじめ大規模修繕工事にかかる費用の目安を把握して、無駄のない修繕計画を立てましょう。

もっと詳しく知りたい方へ

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