2019.03.22
大規模修繕工事
バルコニーは階下に居室がないため、防水の必要性を感じない方も多いかもしれません。
しかし前回お話したように、水はどこから入ってどこから出てくるか分かりません。場合によっては室内に水が入り込んでくることもあるため、バルコニーの防水もしっかりしておく必要があります。
今回は防水工事の一つ「バルコニーの防水工事」についてお話します。
バルコニー防水の役割
なぜバルコニーに防水工事が必要になるかと言いますと、冒頭でも書きましたとおり、漏水につながるからです。
なぜ漏水につながるかというと、バルコニーへとつながるサッシは部屋側の立ち上がりの上にあります。バルコニーとサッシの段差が少なく、防水の立ち上がりが十分に取れていない場合、サッシ付近から漏水します。
そのため、バルコニーの防水機能を充実させるとともに、バルコニーに溜まった水が正しく排水され、居室に入ってこないようにする必要があります。
とくに工事で注意すべきは以下の3つの要素です。
- ・排水溝の傾斜
- ・バルコニー床面の勾配
- ・居室側の立ち上がり
排水溝に傾斜をつけずに施工してしまうとバルコニーにたまった雨水が排出されず、そのまま残ってしまいます。これが漏水の原因となります。バルコニーの床面に勾配をつけないで施工した場合も同様のことが起こりえます。
バルコニーとサッシの段差が少なく、居室内の立ち上がりを十分にとってない場合、サッシのあたりから漏水してしまいます。
また、ルーフバルコニーは階下に居室がありますので、屋上と同等の防水も必要になってきます。
バルコニー防水工事の種類
主なバルコニーの防水工事は次の2種類になります。
・ウレタン防水
バルコニーの防水で一般的な工事の一つがウレタン防水です。
バルコニーは屋上に比べ排水溝や排水ドレイン廻りが複雑な形状で、シート防水が行いにくいため、施工しやすいウレタン防水が主流となっています。
ウレタン防水は施工面にウレタン樹脂を塗布して硬化させ、決められた高さの防水層を作る工事です。
素材には粘性のある液体の樹脂を使うので、複雑な形状でもなじみやすく、継ぎ目のない防水層を作ることが可能です。軽量で建物への負担も少なく、また費用も安く済みます。
・シート防水
最近ではバルコニーにも屋上と同様に、シート防水も取り入れられています。ただし、シート防水のみを行うといわけではなく、バルコニー床面の平らな場所に防滑加工をしたビニールシートを張り、排水溝やドレイン廻り、幅木をウレタン樹脂で処理する複合工法が用いられています。
このシートは純粋な防水材というよりも、床面を美しく見せるための化粧材として利用され、多彩な模様や色を選べるようになっています。
バルコニー防水工事の費用
では、バルコニーの防水工事における費用を見ていきましょう。
・ウレタン防水
1m2あたりの費用:4,000円から7,000円
・シート防水
1m2あたりの費用:3,500円から4,000円
シート防水の場合は複雑な形状を持つベランダでは工事ができません。またウレタン防水、はトップコートのみの場合、半額程度になります。
まとめ
このようにバルコニーは防水工事が不要と思いきや、その重要性とともに工事の複雑さが理解いただけたと思います。
事前に施工業者と十分な相談を行い、適切な工法を選ぶようにしましょう。