2018.09.14
大規模修繕工事
以前お伝えした通り、大規模修繕工事は住みながらの工事となります。そのため、最優先されるべきは居住者の安全確保です。しかしながら、足場を組む・作業員が不特定多数出入りするといったことから、犯罪が発生するケースも報告されています。
では工事中の安全確保はどのように行えばよいのでしょうか。
今回は大規模修繕工事中の「防犯対策」についてお話します。
外からの侵入を防ぐ
大規模修繕工事は足場が組まれるため、その足場を利用しての侵入といったケースが考えれます。足場を利用した犯罪には、一般的に下記の対策が取られることが多いです。
・足場の金網養生と出入り口の施錠
作業員が出入りする1階部分の出入り口に施錠を行い、各足場の1階回りに高さ1.8m以上の金網を設置し、外部からの侵入防止対策を行います。
・補助鍵の貸し出し
足場の設置によって、普段出入りできないバルコニーなどに容易に侵入できるようになるため、窓のサッシに補助錠を取り付けることも多くなっています。補助錠の貸し出しを無償で行っている施工業者もいます。
・センサーライトの設置
足場によって普段は見通しの良い箇所も、暗くなったり死角ができたりします。また足場が暗くなるため、居住者の転倒リスクもあり、そういった事態を避けるためにセンサーライトなどの仮設照明の取り付けを行います。
不審者を識別する
不審者の発見も工事中に犯罪に合わないために必要不可欠な対策です。
工事中は普段見慣れない人が多数出入りすることが当たり前となりますので、作業員に紛れて犯罪者が忍び込むケースが考えれます。そういった場合ぱっと見では作業者と不審者の区別がつきませんので、下記の対策を行います。
・作業員の専用腕章の着用
工事の作業者は腕章やカラーベストの着用を義務付けるようにすれば一目で作業者かそうでないかの区別が可能です。
・工事日程と内容を明示する
その日にどんな作業が行われるのかを明確にしておくと、予定外の業者や作業員がいないかが分かりやすくなります。防犯対策を重視する現場ではそうした状況を常に整えます。
住民の意識
工事中の防犯対策は、施工業者だけの対応ではどうしても注意が行き届かない部分が出てきます。そこで居住者自身にも防犯対策の一員として自覚をもってもらい、積極的にマンションの安全対策に参加してもらう必要があります。
・施錠は確実に行う
戸締りは工事中でなくても行わなければなりませんが、先ほども指摘した通り、足場の設置によって外からの侵入リスクが増大します。そこで戸締りを徹底的に行うことが必要です。
・作業員と挨拶を交わすようにする
作業員と顔なじみになることで誰が作業員なのかを把握するといった点でも役立ちますが、声掛けという行為が犯罪者の「人の目」を最も嫌うという弱点を突くことにもなり、自衛手段として効果的です。
まとめ
大規模修繕工事は、自分たちが住むマンションが綺麗にメンテナンスされ、気持ちよく工事の終了を待ちたいというのがお住まいの方々の総意です。犯罪などが発生して残念なことにならないよう、防犯対策がしっかりした工事会社を選ぶと安心です。住民の皆さんも工事中の安全に注意して、気持ちよく大規模修繕工事を終えられるようにしたいものですね。