2020.05.20
大規模修繕工事
「住みながらの工事」が、マンションにおける大規模修繕工事の典型的な特徴です。
それだけに大規模修繕工事の成功に不可欠なのは、居住者に安心して工事期間を過ごしてもらうこと。いくら工事内容にミスがなかったとしても、けが人が出たりモノを壊したりしたらそれは成功とは言えません。
今回はおさらいの意味で、これまでお話してきた居住者の日常生活についてまとめてお話します。
仮設工事
仮設工事は一時的な施設や設備などの施工を行う工事のことです。具体的には、仮囲い、養生、仮設トイレや足場などの工事が仮設工事にあたります。大規模修繕においては車や自転車の移動が伴うケース、エントランス、庭への足場設置などを行うこともあり、住人への影響があります。
仮設工事の詳細については以下のブログ記事をご覧ください。
工事内容にもっと迫ろう! ~仮設工事~
また、足場を組むことより死角ができ、また外壁からの侵入経路が作られてしまうことになるので、防犯上の懸念が発生します。
防犯対策の詳細については以下のブログ記事をご覧ください。
大規模修繕工事中の気になるあれこれ ~防犯対策~
補修工事
補修工事は、タイルの補修や躯体の補修があり、その際にタイル・コンクリートの除去や張り替えなどではつり作業が発生することが多くなります。
外壁、バルコニー、廊下、階段などタイルやコンクリートが使われている箇所で調査と補修が行われるので、住人への影響も多大です。
工事の詳細については以下のブログ記事をご覧ください。
工事内容にもっと迫ろう! ~躯体補修工事~
工事内容にもっと迫ろう! ~タイル補修工事~
補修工事においてははつり作業を伴うため、音や振動も多く発生します。絶え間なく続く、ハンマーがコンクリートに打ち下ろされる音、重機が一定のリズムで刻む音と振動など、住人のストレス要因になる作業が補修作業にはたくさんあります。事前のアナウンスが必須になるでしょう。
「音・振動・匂い」の詳細については以下のブログ記事をご覧ください。
大規模修繕工事中の気になるあれこれ ~音・振動・匂い~
塗装工事
主に外壁の塗装、手すりやドアなど鉄部への防錆塗装を行います。
塗料とともに匂いに対する影響が大きい工事です。
実質的な影響範囲としては、バルコニー、手すり、ドアなどがあり、専有スペースへの立ち入り、ドアや手すりに塗られた塗料が乾くまで開放しておくなど、居住者への在宅対応が必要になります。
塗料の付着を防ぐため、作業の間は洗濯物を外に出せない期間があります。こちらも事前に周知が必要になります。
塗装工事の詳細はこちら
大規模修繕の工事内容にもっと迫ろう! ~外壁塗装工事~
大規模修繕の工事内容にもっと迫ろう! ~鉄部塗装工事~
防水工事
防水工事は作業する対象範囲が広く、たった一度の工事でも影響を受ける範囲が大きくなります。そういった意味で、居住者の協力が最も必要な工事です。
影響範囲としては、住人の行動範囲がある程度制限されます。たとえば廊下、階段の通行止めや、バルコニーの利用も制限されます。
エアコンのタイプによっては、室外機を移動するケースも出てくるでしょう。
ちなみに新築時には防水処理が行われていない場合でも、大規模修繕の際には防水処理が行われることも。その場合は廊下すべてに作業を行うため、大規模なものになります。
防水塗装工事の詳細はこちら
工事内容にもっと迫ろう! ~防水工事(バルコニー)~
大規模修繕工事の工事内容にもっと迫ろう! ~防水工事(廊下・階段)~
仮設工事、補修工事、塗装工事、防水工事とみてきましたが、居住者の協力は不可欠です。工事期間中はしっかりと居住者に周知することと、それをお願いするタイミングが重要になってきます。
伝えるべき内容は、通行制限が伴うこと、生活インフラ(断水や停電)の不便があること、専有部分の工事のため立ち合いが必要なこと、騒音や匂いなどが出ることなど、これらを工事のスケジュールとともに明確に伝える必要があります。
居住者の協力については以下のブログ記事をご覧ください。
大規模修繕工事中の気になるあれこれ ~居住者の協力~
まとめ
以上、工事別にお話をさせていただきましたが、大規模修繕工事の内容にかかわらず、常に気を付けなければいけないのは安全です。
大規模修繕工事中は、落下物などによる工事自体の危険性、そして外部から不審者が侵入する防犯上の危険性、地震や台風で足場などが崩れてけがや物損が起きる災害の危険性といったリスクがあります。これらが起こらない可能性はゼロではないので、できる限りのケアを行い、住人の安全性に配慮して進めていくことが求められます。
安全管理の詳細については以下のブログ記事をご覧ください。
大規模修繕工事中の気になるあれこれ ~安全管理~