2018.08.10
大規模修繕工事
東京オリンピック開催まであと2年を切りました。日々画像技術も向上し、ハイビジョンテレビはもちろん4Kテレビ、8Kという単語も耳慣れたものになりました。
従来のテレビ放送よりもより鮮やかな、自分の目を通してみたままのような美しい映像が楽しめるこの超高精細度テレビジョン放送。2018年12月からいよいよ8Kの放送が始まります。これに伴い、4K、8Kでテレビを見たいという要望も高まってくるのではないでしょうか。
今回はこの「マンションの4K、8K化」についてお話します。
今までと何が違うの?
今までのテレビ放送と4K,8K放送で何が異なるかというと、画像の鮮やかさ美しさが違います。
具体的には色や光を表現するテレビ画面の画像数が4Kではハイビジョンの4倍の数に、8Kではハイビジョンの16倍にそれぞれ多くなります。
解像度が細かくなるだけではありません。4K,8Kは画像が鮮明になるなど圧倒的な情報量の増加に伴い、従来の周波数帯だけでは足りなくなってしまいます。それゆえ新しい周波数帯を使う必要があり、その周波数帯の電波を受信するためのチューナーが必要になります。
従来の周波数は、1500MHz、2150MHzの2つですが、ここに新帯域①(2643MHz)と新帯域②(3224MHz)が追加になります。
従来のBS・110度CS放送は右旋回の電波であり、この右旋回波に対応する受信機器が使われていますが、新帯域では左旋回波の電波になるため、従来の受信機では対応していません。そのためこの対策が必要になってきます。
4K、8K放送に対応するためにはどうすれば良いの?
まずどんな受信方法でも放送に対応したテレビは必要です。
つまり4K放送を受信するためには「4Kテレビ」「4K対応テレビ」が必要になります。「4K対応テレビ」の場合はチューナーが内蔵されているわけではないため「4Kチューナー」が必要になります。
またマンションの集合アンテナで受信している場合、現状は混合器、分岐・分配器、増幅器といった機器は右旋回の電波受信に特化しているわけですが、今後は、新帯域に対応した左旋回の電波も受信できるような機器に取り換える必要がでてくるのです。個別の家庭でもパラボラアンテナを設置している場合は、右左旋円偏波受信に対応したパラボラアンテナへ交換が必要です。
ちなみに新帯域②に該当する周波数の放送を受信する際は、新帯域①より高い周波数の伝送となりますので、伝送路損失量がさらに多くなるため、光ファイバー化などを含めた伝送路の設計が必要になる場合もあります。
マンションや集合住宅で加入しているケーブルTV会社を利用している場合でも、業者により対応状況は異なりますので、よくご相談ください。
困ったときは専門家へ相談
4K、8K放送を見たい、けれどどうすればよいのかわからないという方も多いと思います。
特にマンションの管理組合の方は、住民の要望なども出てくるため早急に対応しなくてはならない場合があるかもしれません。
アンテナの交換、ケーブルの交換など、既存の設備の状態によって改修範囲は大幅に異なってきます。8K放送の開始もあと2か月、東京オリンピックの開催まで2年を切った状況ですので、検討に長い時間をかけることができない状況になりつつあります。
早めに専門家に相談して、どのくらいの費用や期間が必要かを早めに確認してくのも重要です。
専門家に相談する前に「テレビの配線図」と「既存の設備」「テレビの配線図」を用意しておくと、作業がスムーズになります。管理事務所で保管しているか確認しておきましょう。
ちなみに受信サービスを提供する専門業者の中には、4K、8Kテレビの導入判定に必要な「ケーブル伝送テスト」を行ってくれるところもあります。現状のケーブルが利用できるかどうかもわかるので、依頼してみる価値はあります。
まとめ
マンションの管理者とって、4K、8Kへの道はなかなか簡単にはいかないかもしれません。しかし4K、8K放送の対応に成功すれば、マンションの資産価値も上がります。せっかくオリンピックという一大イベントも迫っているのですから、これを機に4K、8K化を検討してみてはいかがでしょうか。